テトリス武闘外伝

1993年12月24日発売/BPS/77点

 テトリスといえばもう、パズルゲームの基本中の基本。世界一売れたパズルゲームとしてギネスにも認定され(全世界で売り上げ4600万本以上。ただしうち3026万本がゲームボーイ版)、BPS始め最近ではアリカがアーケードで「グランドマスター」を発売したりと、今でもスタンダードとして遊ばれるお化けソフト。
 ルールが単純であるがゆえにド嵌りする可能性が高く、家庭用(特に携帯ゲーム機)になると、気がついたら数時間遊んでた、なんてことも日常茶飯事です。

 さて、家庭用では数え切れないほど発売されたテトリスシリーズですが、その中でも本作「武闘外伝」は、やや毛色が違うソフトといえるでしょう。
 本作最大の特徴は、これまでのテトリスと違い、キャラクターゲームになったこと。
 ハロウィン、ミルルン、ニンジャなど、可愛らしいデザインのデフォルト8キャラ+隠し2キャラから選択し、1Pプレイか対戦プレイかを選択します。

 これらのキャラクターには、クリスタルというアイテムの個数に応じて四段階の必殺技が用意されており、それぞれ(ブロックを強引に左右に分ける、とか、相手のブロックを回転できなくさせる、とか、相手ブロックを石化させてラインが揃っても消せなくする、とか)技によってはわりとエゲツない効果を持っています。
 これにより、二人対戦に普通のテトリスには無い駆け引きが生まれ、勝負が熱くなっていきます(熱くなりすぎてのリアルファイトに注意)。

 またルールの変更もかなり柔軟に設定でき、その設定次第によっては、これまでのテトリスには無かった、独特の“連鎖”が組めたりします。
 もっとも、隠しキャラであるグランプリンセスとドラゴンの必殺技が反則的に強いため、その2キャラで対戦に乱入すると、大の大人が子供の砂場を踏み荒らすような感覚を味わえますが。

 どちらにしろ、既存のテトリスゲーの中でも、かなり楽しめる一品であることに間違いはありません。
 どちらかと言えば対戦モードの方がメインなので、そちらを満たせる環境があれば、かなり長いこと遊べることうけあいです。