今や、国内のプロ野球よりも、下手したらアメリカ・メジャーリーグの方が人気がある時代です。私もプロ野球ファンの端くれですので、許されるものならコレに関しては1時間は軽く語りそうですが、今回は止めておきます。
日本でメジャーリーグ人気の魁となったのは、なんといっても日米通算201勝をあげた野茂英雄投手。彼の成功以降、イチロー、新庄、松井秀、松井稼、井口と次々に人気選手が渡米し、日本のプロ野球の人気低迷がどうどかグダグダ言っている間に、NHKBSでもメジャーリーグの中継がない日を探すのが難しいという有様。
てなわけで、当然、ゲームの世界でもメジャーリーグは市民権を得て既に長く、特に3Dの技術が発展してから、選手の顔も似るようになってよりリアル指向へと突き進んでいます。
本作は、そのメジャーリーグが市民権を得る、遥か前にファミコンで出たゲームです。
当時はまだ、メジャーリーグの知識は一部の野球好きのものでした。ファミスタにメジャーリーガーズが登場したときも、その強さはバケモノクラスでしたが選手名は実名ではなく、解る人にしか解らない、特にゲームの購買対象であるはずの子供の果たして何%が知っていたことか。
本作はチャーリー・シーンの有名な映画「メジャーリーグ」のタイアップで製作されたもので、タイトル画面には映画で御馴染みの「サングラスをかけた野球ボール」が鎮座ましましています(そのわりに選手名は実名じゃないし、内容はタイアップにしては丸っきり映画と関係ありませんが)。
だったら、映画を見た人限定で思いっきり濃いゲームになっているかというとそうでもなく、購買対象はやはり子供。
では、そのジレンマを解決する為に、アイレムはどのような手法をとったのか?
なんと、登場する14球団のうち、半分を日本のチームにしてしまいました!
セ・リーグ6球団とオールスター1球団です。
ひゃっほう、これなら野球好きの子なら解るよね! タイトルに偽り大有りだコノヤロウ!
これほど大胆な手法をとった野球ゲームは、後にも先にもこれだけではないでしょうか。
野球ゲームとしては、当時よくあったファミスタの二番煎じです。
メイン画面でバッターボックスに立つ選手が、ファミスタに比べれば少々ガタイが良いように見えますが、操作性が悪く、決して遊びやすいとはいえません。
またストレートとフォークの操作がファミスタとは逆なうえ(ストレートが上で、フォークが下)、ボールが大きくなったり小さくなったりと遠近感の表現が激しく、目新しさを求めたのは解るんだけど、残念ながらゲームをし辛い方向にぎゅっと凝縮してしまいました。
とりあえず、名前を変えてパ・リーグを出せ! 話はそれからだ!
(2006.08.22)