アーケードやパソコンでプレイできた名作ゲームが安価な家庭用でも遊べる! いわゆる移植ゲームというのは、古くはファミコン以前からありました。
もちろん、アーケード(業務用)と当時の家庭用では容量がぜんぜん違うため、そのまま移植、というのは難しく、グラフィックがしょぼくなったりステージが削られたり、最悪名前が同じだけで全然違うゲームになったりと、かなり制約がつくものでした。
どうでもいいけど「ノース&サウス」に「わくわく南北戦争」なんて副題つけたの誰だ。
それでも、アーケードにはなかった要素をつけてファミコン版独自の色を出そうと努力したゲームも沢山あります。中には、原作にはなかった対空砲台を追加したおかげで難易度がアホみたいに跳ね上がった「チョップリフター」なんてお茶目な例も少なからずありますが。
本作「マイティボンジャック」もアーケードから移植された横スクロールアクションですが、恐らくそういったファミコン版のみの追加要素としてはトップクラスの容量じゃないでしょうか。
本作は、主人公のジャック王子が、囚われの身となった兄たちを探しながら、ピラミッドの中やら森林やらを踏破していくアクション。キャラクターは可愛いし、ジャンプを駆使したアクションも攻略度が高く、なかなかやりこみがいのあるゲームです。
……なんですが、移植に当たって追加された「謎解き」という要素が全てを狂わせてしまいました。これの解き方を自力で見つけた人は、恐らく両手の指で数えられると思います。なんのヒントもなしでのクリアは絶望的。それくらい凶悪な難易度でした。
このゲームで一番記憶に残っているのは、そのマップの広さ。当時、ファミコンのゲームの攻略本は今のPSPのソフトのパッケージくらいの大きさ、ページ数も50〜100ページ前後というもので、一冊300〜400円くらいで買えました。2000円を超えることが珍しくない、辞典と見まがうばかりの現在の攻略本に比べれば簡素なものです。そのくらいの内容でも十分クリアできたし、対象はあくまで子供ですから、あまり高くても買えないことを考慮した価格設定だったのでしょう。
で、アクションゲームの攻略本にはマップがついていることもよくありました。当然、本作の攻略本もそうだったんですが、小さな本の中に折りたたまれたマップの大きさに驚いたこと驚いたこと。その大きさ、実に1m四方。とても広げながらゲームを……という代物じゃなかったんですが、そのマップの実に七割がピラミッドの地下。
主人公の兄たちがその空間に捕まっていたんですが、これがたぶんファミコンでの追加要素。いかに何でもヤリスギデス。
攻略本というのは、攻略方法とともに「攻略したい」と思わせる内容になっていることが重要です。当時だとページの端々に可愛いイラストが着いていたり、現在だと膨大な量のデータが羅列されていたり。しかし、読んだだけでやる気がなくなるという攻略本は、大変珍しいのではないでしょうか。
いや、攻略本が悪いわけじゃなくて、ゲームが悪いんだが。
(2008.01.14)