極楽遊戯(げ〜むてんごく)

1987年12月12日発売/ソフエル/39点

 パーティ用のミニゲーム集。ポーカー、スピード、ルーレット、ブラックジャック、ビンゴなど、八種類のミニゲームを収録。

 ソフエルなんてメーカーは聞いたことなかったんですが、白の背景にオサレ〜なフォントで書かれたタイトル画面に魅かれてか、むちゃくちゃ欲しかったんですよ、このゲーム。
 ほら、子供の頃って、しなくてもいい背伸びをして、大人っぽいお洒落なものにあこがれてカッコつけたがる時期があるじゃないですか。このゲームがゲーム雑誌の新着コーナーから醸し出す雰囲気は、当時の私にとっては魔力めいた磁力をもっていたのでしょう。

 それがクソゲー魔王の放つ毒の息吹だったということに気づくまでに、三日かかりました。

 本作はディスクシステム用のカードでして、安く手に入れようと思えば、500円で書き換えができたんです。しかし、オサレ〜で大人っぽいものを手にできる喜びを安っぽくしたくなかったせいか、私はこれを定価で買ってもらいました。二ヵ月後に発売日が迫っていたドラクエ3を諦めるという約束で。

 極楽遊戯 ≧ ドラゴンクエスト3

 ドラクエ3? ハン、そんな世俗に迎合したゲーム、大人な僕は買わないよ!
 なんて思ってたに違いない当時の私。くたばれ。

 恋焦がれた「極楽遊戯」は、膨れ上がったオサレ感に満ちた期待を打ち砕くに十分なできばえで、こんなの楽しめるのは現在の私くらいです。
 いや、実はそんなにひどい出来でもないんですけど、所詮はミニゲーム、八種類あったところで、子供が一週間もやれば飽きます。徹底的に。

 結局、色々な意味で「人間の皮をかぶった虚無感」と化した私は、ドラクエ3で盛り上がるクラスの話題についていけず、かといって極楽遊戯を売る許可も書き換える許可もおりず、人生で初めての敗北に沈んだのでした。

(2008.01.14)