他機種で出ていた「エターナル・アルカディア」の移植版・アッパーバージョンです。詳しいレビューはDCの「エターナル・アルカディア」の項を参照。
DC版からの変更点として、新イベントの追加、新発見物の追加、テキストの大幅な書き換え等が上げられます。いずれも、大空を飛び回るという本作最大の「楽しさ」を損なわないよう、充分に考慮された変更点で、幼い頃の冒険心を満足させることができるという意味では、間違いなくお勧めできる一本。
キャラクターが非常に魅力的なのもいい感じ。主人公の空賊ヴァイスはとにかく暗いところがなく、これでもかと元気で前向き。プレイヤーをぐいぐいと引っ張ってくれます。
またヒロインのアイカ、ファイナの二人も可愛く、基本的に直線的な思考の持ち主なので、シナリオ上で鬱になることがありません。
また、新キャラと新エピソードの追加により、これらの既存キャラクターに深みが出たのも好印象。ヴァイスの目元の傷の由来とか、なかなか興味深いエピソードで、思わず見入ってしまいました。
残念なところとしては、前作の問題点があまり改善されていないところ。
相変わらず戦闘はバランスが悪く、砲撃戦も無駄に長いです。
新たに加わった「ウォンテッド・バトル」は、もともと強い賞金首の強さが、主人公のレベルに応じて変わるため、いくらレベルを上げても結局は斬殺、という救いようのないループに陥りがち。
また、どうも移植した際に原色をきつくするように処理したのか、無闇に目が痛くなります。特に赤と青の発色がきつい。
日向と日陰で明るさが極端に違うため、日陰に入った際は、目が慣れるまでどこに何があるのか解らなかったりすることも。
あと、これは子供向けであるゲームキューブ版ならではでしょうが、テキストにやたらと平仮名が増えました。これはこれで、けっこう読みづらいです。
DC版と変わらず、良いところも悪いところもやや極端な気がする本作ですが、「面白い」ということは間違いありません。
私(=KEEF)のように、大昔「天空の城ラピュタ」にはまりこんだ人なら、まず間違いなく楽しめます(というか、ラピュタの影響の凄く強いゲームですが)。
今では少なくなった王道中の王道活劇、たまにはこういうのもいかがでしょう?
(2006.02.26)