ブレイ・ブルー カラミティトリガー

2008年11月20日発売/アーク・システムワークス/85点

「ギルティ・ギア  ゼクス」(以下GGX)のスタッフが再結集して贈る、アーク・システムワークスの格闘ゲーム。
  謎を匂わせるオープニングと巨大なキャラ、スピーディーな試合展開など、同じスタッフということで「GGX」との共通点が多い、というよりも、むしろ見た感じはそのまんまギルティ・ギア。
  スーパージャンプ、二段ジャンプ、バリアガード(=フォルテレスディフェンス)、ディストーションドライブ(=覚醒必殺技)、ラピッドキャンセル(=ロマンキャンセル)など、システムはほぼ共通で、キャラクターの特徴も分かりやすいくらい似ているため、GGシリーズに慣れていれば、すんなりと入れるかと。

  ただでさえ空中ダッシュや二段ジャンプを絡めた超高速の試合展開になりがちなのに、そのうえ更に本作には「16:9の大きな画面全体を使ってダイナミックに遊ばせる」という開発コンセプトがあるらしく、「のけぞり中でも投げられる」「受身を取らないと、ダウン中でも普通にボコられる」と、超攻撃的なルールを採用しているため、慣れないうちは本当に瞬殺の山を築くことになります。

  それでは、安全策をとってとことん逃げ回ったり、防御を固めて待ちに徹すればいいのでは、と思われるかもしれませんが、このゲームではそんなケツの穴の小さい戦法は、存在そのものが認められません。
  本作の大きな特徴の一つに、「ネガティブペナルティ」というのがあります。
  これはいったい何かというと、なかなか攻撃しなかったり、逃げ回ってばかりいると、懲罰的な意味もこめて「防御力」がどんどん下がるという、とんでもない代物。

「ちんたらやってるとブッ殺すぞ貴様ら!!!!」

  という、製作者側の強い 恫喝 意思を感じます。
  そもそも、最少得点差で守り抜くなんてのはナンセンスなのです。10点取られたなら20点取り返せばいいだけの話であり、ホームラン以外は全部アウトという割り切り方がナイス。

  さて、そういうゲームなものですから、「困ったらとりあえずバッタ」(「バッタ」=ひたすらジャンプ攻撃でピョンピョン飛び込むこと)という、私がよくやるようなヤケクソ戦法のほうが、むしろ楽しめるかもしれません。
  もちろん、キャラクターごとにかなり癖があるし、システムを上手く活用しないとなかなか勝率は上がりませんが、ちまちまやりながら瞬殺されるよりは、ひたすら暴れたほうが爽快感はあると思います。

  16:9の液晶ワイドディスプレイの筐体に入るゲームは、「鉄拳6」にしろ「バーチャファイター5R」にしろ「タツノコvs.カプコン」にしろ、やや画面がボケるという、液晶ならではの弱点があるんですが、このゲームはそれらと異なり、本当に画面がシャープで綺麗(まぁ、ポリゴンのゲームと2Dアニメのゲームを比べちゃいかんが)。
  それにアークのゲームらしく、演出が物凄く綺麗、かつド派手で、試合展開がめまぐるしく変わるため、見ているだけでも楽しめます。対戦相手によってキャラのボイス(掛け声など)までが大幅に入れ替わるなど、演出方面にもかなり力が入っているので、ゲーム展開についていけさえすれば、かなり楽しめると思います。
  デモ画面でタオカカが顔面ドアップで登場したときは、心臓が止まるかと思いましたが、タオカカのあのフードの下が、ブルマ+裸サスペンダーだと知ったときは、別のモノが大起動。

  そういえば、友人がノエルを使ってリボルバーブラストを出したとき、思わず
「すげえ……。このお姉ちゃん、落ちながら戦ってる……」
  とボケたら、いきなり笑い出して操作どころではなくなり、やられてしまいました。
  余計なことするな、と笑いながら怒られてしまったのですが、これは私のせいでしょうか?  なんとなく納得がいきません。

(2009.02.01)