首都高バトルX
首都高バトルシリーズは、元気が製作している公道レースゲーム。1994年の初代スーパーファミコン版以降、丸13年に渡り6機種で計9本が発売された長いシリーズです。
初期作品では土屋圭市が監修を担当していたことでも有名ですね。本作はその記念すべき10作目に当ります。
グラフィックは…正直に言って期待はずれではありました。元気の看板シリーズであるからには手を抜くことなど考えもしないでしょうが、以前にプレイした「PGR3」などと比較してしまうと明らかに劣っているように見えます。道路公団が全面協力しただけあって、道路に設置されたカメラだのアスファルトの凸凹だの、異常とも思えるほどのコダワリは垣間見えるんですが…。360のレベルだと、もうちょっと上に行けるよなと、いうのが本音ですね。
あと肝心の自動車のモデリングがラジコンみたいに…あわわわわ。
遊べるモードは5つ、シリーズ御馴染みの「クエストモード」、他に「タイムアタック」「フリーラン」「オンライン対戦」「オフライン対戦」。
本作の肝は何と言っても「クエストモード」。300万CPを元手にマシンを購入し、公道でバトルを繰り返しながら車をチューンナップしていきます。首都高は走る時間帯によって対戦するライバルはもちろん、一般車の数まで違うという拘りよう。チューンナップ出来るパーツは19箇所にのぼりますが、ワンダラーと呼ばれる特別なライバルとの遭遇条件にはチューンナップの仕方が含まれている場合も多いので侮れません。
勝負に明確なゴールは無く、抜きつ抜かれつしながらお互いのSP(スピリットポイント=精神力ゲージ)を削りあい、先にゼロにした方が勝ちというシステムがレースゲームにしては面白いです。
ただ、レースゲームとはいえ、同じところをぐるぐる回るだけなので、飽きが早いのも確か。
というのも、前作「首都高バトル01」と比較すると、明らかにボリュームダウンしているのです。
走れるコースに新宿線と渋谷線の二つが追加されたものの、逆に向島線、中央環状線、高速湾岸線、阪神高速、名古屋高速、東名阪自動車道の六路線が抹消。消されたコースの方が三倍も多いとはどういうことよ? 特に向島線、中央環状線、高速湾岸線の三つは人気が高かっただけに、けっこう反発食らったみたいですね。
追加された新宿線と渋谷線にしてもコースとしては行って帰るだけの単調なもので、実質的なコースは新環状とC1の二つだけ。発売前の宣伝ではコース追加を華々しく謳ってましたが、結果的にコースが減ってるんだから、明らかにJAROに通報されてもおかしくないほどの誇大広告だろ、これは。
でもまぁ、それはそれとして選択できる車種が多ければなんとか相殺できなくもないんですが、それすら減っているとはどういうことよ?
クエストモードの最初にハチロクが消えていることにまず驚きましたが、その他にも前作から消えた車種も多く選別の基準がかなり謎。
また前述のワンダラーとの遭遇条件には自動車の車種もある場合があるのですが、三菱車への乗車が条件なのにその三菱車がランサーエボリューションしかなかったりと、もう中途半端もいいとこ。
まあね、レースゲームの業界にも色々と苦労がありまして、ホンダは企業イメージの問題から公道レースのゲームにはライセンスを提供しないし、ポルシェのライセンスはエレクトロニック・アーツが握っているために、それ以外のメーカーがゲームにポルシェの車種を出すにはサブライセンスを取得しなきゃいけなかったりと、裏で大人の事情がいっぱい働いていることは解ります。
ただね、それを置いておいても、少々ゲームとしてのデキは微妙です。
コースの数は少ないのにライバルだけはわんさかいたりとか、ボイスチャットはできないし、車の挙動や音もなんだか違和感アリアリです。更にクエストモードを幾ら遊び倒してのノーマルカーの種類は増えません。シリーズの伝統と言えばそうなんでしょうけど、少なくともXbox360のマシンパワーを駆使できれば、もっといいものが作れたはず。良い例は既に何本も目の前にあります。
発売前の某イベントで設置された試遊台は、製作に協力した道路公団の方々が占拠同然にプレイしまくって一般プレイヤーがプレイできなかった、などという香ばしいエピソードもあるようで、どこでどう間違っちゃったのかねぇ。

ジャンル:レース
メーカー:元気
発売日:2006/07/27
価格:¥7140
KEEF'sPOINT:14
お勧め度;D