幻想水滸伝5

 うーん、幻想水滸伝シリーズって、良くも悪くもあまり極端なところはないようなイメージがあったんですが、本作はハッキリと好き嫌いが分かれちゃいそうですね。
 シリーズ中でも、その「角ばり度」は屈指。とにかく、数多い致命的な欠点を乗り越えられるかどうかが全て。

 このシリーズは3、4、ラプソディアとプレイしていますが、その中ではシナリオはよく出来てると思います。主題に入るまでが長すぎる嫌いはありますが(プロローグにあたる部分のプレイ時間が10時間ちかくある)、キャラクターの魅力(リムスレーアの破壊力は危険^^;)、起承転結の持っていきかた、クライマックスの見せ方など、どれも良好(基本的にお使いの連続ではあるのだが…)。
 ツッコミどころがないわけじゃないんだけど、ボリュームのほうは単純なプレイ時間でも短いと言われた「4」の約二倍。たっぷりです。
 また、本作の特徴のひとつでもある「戦争モード」は、慣れるまでが少々大変ですが、慣れてしまえばかなり面白いです。本拠地入手以降は寡兵での戦闘を余儀なくされますが、少数で大勢を覆すこの快感よ! ゼラセにビッキーと補給をくっつけて最前線で暴れまわらせるのが面白いのなんの(笑)。あと、ヴィルヘルム+ミューラー(+ムラードorシルヴァ)が神。

 で、そのシナリオを楽しむために乗り越えなければいけないのが、壮大な欠点の数々。
 ユーザーフレンドリーという言葉を完全にうっちゃった基本システムも問題なんですが、やはり最大の問題は「テンポの悪さ」。元々、お世辞にもゲーム進行のテンポが良いとは言えないこのシリーズなのですが、本作は「それにも限度があるぞコノヤロウ!」と言いたくなるような究極のテンポの悪さが致命的。
 イベント中に会話があると誰かが喋るたびにヘンな「間」が入るし(良く見るとキャラクターが動いてるんだけど、余りに小さいので全然わからん)、新しいマップが表示されるたびに意味不明な沈黙(操作不可能状態)が一分近くあります。また、敵方のイベントが始まると、その都度、敵本拠地である太陽宮の全景が映るのですが(当然スキップ不可)、これが毎回約二分。
 またイベント中でなくても、武器を鍛えるときやスキルを鍛えるときもレベルごとに5秒近い待ち時間があるし、戦闘が始まる際もエンカウントからバトル開始まで、いちいち10秒以上かかります。
 そしてトドメとなるのが、文字通り異常なロードの多さ&長さ。街に入って5〜10秒、建物に入って5〜10秒、二階に上がって5〜10秒、街中でもマップが変わると5〜10秒…。
 やってられるか!!
 5〜10秒って書いてあると「なんだ短いじゃん」とか思うでしょ? いや、それがエンディングまで延々だらだらと続いてみ? ムカつけるぜ〜。
 プレイ時間の1/5は、確実にこうした待ち時間です。相変わらずのカメラワークの悪さも相まって、イライラ度はあっという間にゲージぶっちぎり。
 バファリンの半分は優しさでできてますが、本作の1/5はイライラでできてます。

 シナリオにもツッコミどころはけっこうあり、市民たちの小学生並みの調子のよさとか各所で崩壊している日本語等、色々と突っ込めますが、個人的には108人いる仲間のうちの数人の「口汚さ」が非常に不愉快でした。
 そりゃあ、仲間が108人もいれば変わったヤツもいるでしょう。「4」は好漢揃いでしたが、「3」では明るい変態さんが数人いたし。ただ「5」のそういった仲間は「頭が悪くて利己的」なんで救いようがないんだ…。大半は好青年なんだけど…。ベストエンディングのためとは言え、彼らに声をかけるのは苦痛だったよ…。
 あと、このシリーズ通してそうなんだけど、本作は特に正しい敬語を使ってるキャラクターが一人もいません。気持ちいいくらいに全滅。
 コナミの社内って、敬語を使うという風習がないの?

 メインストーリーだけを抜き出せば、間違いなく名作なんだけど、それを取り囲むハードルを高いと感じるか低いと感じるかで、本作の評価は一変するでしょう。
「4」のシステムを素直にそのままくっつけてくれりゃあなぁ…と、個人的には思えて仕方ありません。

 あ、あと本作の公式ノベライズは、ゲーム史に名を残すほどの超トンデモ小説と化してます。誰か止めてやれよ…。


ジャンル:RPG
メーカー:コナミ
発売日:2006/02/23
価格:¥7329
KEEF'sPOINT:66
お勧め度:C