尊属殺人
【尊属】
親族とは、血縁関係ないしは姻戚関係においてのつながりを有する者を言う。その血族関係において、自分より前の世代に属する者を尊属(父母、祖父母など)といい、自分より後の世代に属する者を卑属という。
【尊属殺人】
自らの血縁関係において、尊属関係にある者を殺害することを言う。
日本では通常の殺人事件(刑法一九九条規定)よりも重罪とされ、刑法二〇〇条において重い法定刑が規定されていたが(最低刑が無期懲役であったが、事情による情状酌量はなされた)、昭和四八年の最高裁の違憲判断を受けて有名無実化し、平成七年、刑法の口語化への改正に合わせて削除された。
※参考
ウィキペディア「親族」
松村喜彦「悪女たちの昭和史」(ライブ出版)
合田一道+犯罪史研究会「日本猟奇・残酷事件簿」(扶桑社)
近藤康二「刑法の楽しい読み方」(河出書房新社)
※参考補
一般に、父系尊属殺人を「パトリサイド」、母系尊属殺人を「マトリサイド」と呼称するが、本稿では「パトリサイド」に表記を統一している。